幸せを願い“母から娘へ” 花嫁のれん展 石川・七尾市一本杉通りで2年ぶり開催
加賀藩の時代から伝わる婚礼の風習「花嫁のれん」。毎年この季節に石川県七尾市の商店街を彩ってきた展示会が、震災を経て2年ぶりに開催されました。
嫁入り道具のひとつとして嫁ぎ先の仏間にかけられ、花嫁がそれをくぐって御先祖さまに挨拶をする「花嫁のれん」。加賀藩の時代から幸せを願い、母から娘へと連綿と受け継がれてきた婚礼の風習です。
七尾市の一本杉通りではそれぞれの家のタンスに眠っていたのれんを飾る「花嫁のれん展」が2年ぶりに開かれました。
各々の店や民家に飾られた花嫁のれんが商店街一体を華やかに彩っています。
創業およそ130年の老舗「高澤ろうそく」では紅白の御者車を夫婦に見立てたのれんが飾られていました。
高澤ろうそく・高澤 久 社長:
「こちらは僕の祖母の花嫁のれんですけれども、妻が関西地区から嫁いできて、のれんをくぐってお仏壇参りした」
高澤ろうそく・高澤久 社長:
「今は地震被害が大きかったですけど、ちょっとずつお店が去年から見ると再開している。これから少しずつ増えていって商店街として皆さんが楽しめる街になればと思っています」
一方、こちらは仮設商店街の食事処「太左エ門」。
飾られていたのれんは能登島から一本杉へと海を渡り今日まで受け継がれてきたものだといいます。
太左エ門・坂本 照子さん:
「これが家紋らしくて、孔雀と牡丹と。こういう風習は多分ここら辺しかないと思うので、とてもきらびやかで素敵だなと。伝統的なものを残していってもらえればいいなと思います」
震災を経て、街の復興を後押ししようと2年ぶりに開催された「花嫁のれん展」。ゴールデンウイークの期間を含め5月11日まで開かれています。