「出品できたことがうれしい」 震災乗り越え再建へ 能登杜氏“渾身の酒”並ぶ品評会
能登の酒蔵が一堂に会し、日本酒の出来栄えを確かめる品評会が22日に開かれました。会場には震災を乗り越え、再建へと向かう渾身の酒が並びました。
ずらりと並んだ一升瓶…
蛇の目のお猪口に、次々と注がれていく日本酒。
この日、能登町で開かれたのは、日本酒の出来栄えを競う品評会です。
去年元日の能登半島地震では、奥能登2市2町にある11蔵元全てが被災し、能登での酒造りが困難な状況が続きました。
数馬酒蔵の従業員(去年2月取材):
「降りると… その亀裂。入っていただくとわかるんですけど、建物全体が歪んでいますね。丘みたいになっていて」
150年以上の歴史を持つ能登町の数馬酒造。
貯蔵施設への被害や断水などで、発災当初は酒造りが難しい状況でしたが、従業員が一丸となって能登での製造にこだわり続けてきました。
数馬酒蔵の従業員(去年2月取材):
「社員の中でも避難所から通っている者もいますし、水がきてない社員もおりますので、土日も交代で働くんですけれども、今は月から金曜日までという形で、時間を短縮して作ってます」
数馬酒造では、去年10月に新酒の仕込みを本格再開させ、この日は2種類の日本酒を出品しました。
数馬酒造醸造責任者・栗間 康弘 さん:
「環境が一変した中で製造してきたので簡単ではなかった。杜氏組合の品評会で入賞することが一つの目標でもあるので、入賞できるかわからないが、出せたことがとりあえずうれしい」
震災を乗り越え再建へと歩み始めた能登の酒蔵。
品評会の結果は、23日に発表される予定です。