給食のリンゴを食べて重体になった園児、1年経っても意識不明 24時間看護する両親の葛藤 #ニュースその後
事故のあと、康至くんは急性期の病院で治療を続けていましたが、事故から7カ月後、自宅での看護に切り替えました。
母親:
「家族の時間がどうしても取れない。全員が揃ってというのが難しいのもあるので、それであれば家に連れて帰ってきて、大変でもみんなでいたほうがお兄ちゃんにとっても康至にとってもいいかなというところで」
在宅看護を始めるに合わせて、出入りがしやすいバリアフリーの物件に引っ越しました。
この日は散髪の日。美容師さんが、2カ月に1回、松山から来てくれます。
母親:「一回初めて切ったからこないだ。多分それから勢いよく伸びたかな」
美容師:「髪の毛がしっかりした気がするね」
母親:「ですよね」
事故当時は、細くて柔らかい赤ちゃんの毛だった髪の毛も今ではふさふさに。
午後は週3回の入浴タイムです。訪問看護師の協力のもと体を洗っていきます。
訪問看護師:
「(体調は)いつもよりいいです。脈拍もすごく安定しているし、リラックスしとるね」
父親:
「外に出すという当たり前の行動が制限される中で、来てもらえるという体制がないとなかなか難しいので、来ていただける人には本当に感謝でしかない」
事故前は共働きだった両親も現在は夫婦で24時間の看護にあたっています。
父親:
「社会から孤立という形になってしまうので、それをずっと続けるのかとなればそういうわけにもいかない。自分たちのできる仕事を見いだせないかなというところに今きているかな。このままでは絶対にいけないという感じがある」
あの日から、一年。
父親:
「保育園に対しては、同じような事故を二度と起こさないために当たり前のことをしっかりしてもらえれば、そういう事故にはつながらなかったのかなという思いがどうしても強いので、職場の人間関係や組織体制をしっかり立て直してもらいたい」
母親:
「康至が生きている限りはきちんと向き合ってほしい。どこが落ち着くゴールなのかはいまいち分からないが、自分たちが思う生活がきちんとできることを目標にしていかないといけない。課題がいっぱいまだまだあるので、それを一つずつクリアしてみんなで時間をかけてやっていければいいかなと思う」
二度と同じことが起きないでほしい。家族の、強い願いです。
※この記事は、南海放送報道部とYahoo!ニュースによる共同連携企画です。