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【特集】加速する若者の「献血」離れ なぜ? “命のバトン”をつなげ 輸血を受けた少年の思い《新潟》

2025年4月19日 17:45
【特集】加速する若者の「献血」離れ なぜ? “命のバトン”をつなげ 輸血を受けた少年の思い《新潟》

「命のバトン」とも言われる献血について。いま新潟県内では献血の協力者の約7割が40代以上で若者の献血離れが進んでいます。

柏崎市には心臓の重い病を患い輸血を伴う手術を経て助かった男の子がいます。救ってくれたのは顔も名前も知らない誰か……家族には伝えたい感謝の思いがあります。

◆輸血を伴う手術を受けた少年

元気いっぱいに庭を駆け回る男の子。初田源造くん7歳です。

源造くんが好きなことは“走ること”!

Q)走るのどんなところが好き?

〈初田源造くん〉
「好きだから。負けたくない。みんなに負けたくないから」

しかし、父の浩之さんと母の裕子さんには息子の元気な姿を想像できなかった過去があります。

〈父・浩之さん〉
「手術の時は運動とかできるのかなっていうそういった大手術だったんですけど」

◆源造くんの命をつないだ「輸血」

2017年、クリスマスの少し前に生まれた源造くん。「母子ともに健康」出生時にはそう言われましたが1か月後に異変が現れました。

〈母・裕子さん〉
「1か月健診を迎える前に吐き戻しが多かったり陥没呼吸した様子があった。(病院では)『このまま、きょうすぐ入院しましょう。もうこのままだと死んでしまうので』って言ってなんでこんなことになっちゃったんだろうと涙が止まらなかった』

医師からは、先天性の心臓の病気と告げられましたがリスクが高い手術のため県内ではすぐに対応できず関東の病院で手術を受けました。一時は危篤状態にまでなったといいます。

生後41日目にして10時間以上続いた手術……。その間源造くんの命をつないだのが輸血でした。

〈母・裕子さん〉
「200ミリ1袋とか血小板200ミリ0.4袋とか本当にありがたかったです。看護師さんにも『血小板は一袋で何人分のもの』なんだと聞いて、どこの誰なのか教えてほしいなって一目あってお礼を言いたいなってそんな気持ち」

◆30代以下の献血者数は約40%減少

多くの命をつないできた「献血」。しかしいま、若者の献血離れが進んでいます。

グラフは、年代別で表した県内の献血者数の割合です。

協力者の約7割が40代以上。さらに2013年度からの10年で30代以下の献血者数は約40%減少しているといいます。

ただ国は献血ができる年齢の上限を69歳と定めています。

〈県赤十字血液センター・佐藤優吾さん〉
「いま献血を支えてくださっているメインの40~50代の方々が数年後には献血できなくなってしまう。そういったこともありますので将来の輸血医療を支えるためには若い方々のご協力いまのうちからちょっとずつでも確保していくのが重要なのかなと感じている」

献血に協力してくれる若い世代を増やすために……週末のショッピングモールに献血バスが駆け付け献血を身近に感じてもらおうというのです。

県赤十字血液センターによると40代以上の人が子どものころには献血バスが定期的に高校などに行って献血する習慣が根付いていたといいます。

一方、現在は県内の高校で献血バスを受け入れているのは2校のみ。

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◆献血協力者の多くが“リピーター”
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