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ハイチPKO 参加の狙いは?

2010年2月6日 19:57
ハイチPKO 参加の狙いは?

 被災からもうすぐ1か月を迎えるハイチでの国連平和維持活動(PKO)のため、陸上自衛隊の派遣部隊が6日、現地へ向け出発。鳩山政権初のPKO参加の狙いは何か?政治部・山見穣太郎記者が報告する。

 6日朝、鳩山首相は、インド洋での給油活動から帰国した補給艦「ましゅう」と護衛艦「いかづち」を出迎えた。「今日の帰還は明日の日本の出発につながる」と訓示し、8年にわたる「テロとの戦い」に携わった隊員たちの労をねぎらった。

 同じ6日朝、ハイチでのPKOに派遣される160人が家族や同僚らに見送られ、栃木・宇都宮駐屯地を出発。防衛省で行われた隊旗授与式には、午前中に海自艦船を迎えた鳩山首相が参加、「国連への意思表明後、約2週間での派遣は画期的。『命を守る日本、まさにここにあり』と世界に示してもらいたい」と述べ、対米重視から国際貢献へシフトする政権の姿勢を強く印象づけた。

 異例のスピード派遣の裏には、インド洋での給油活動の撤収やアメリカ軍普天間基地(沖縄・宜野湾市)の移設問題などでぎくしゃくするアメリカとの関係を緩和し、国際社会で存在感を示したい鳩山政権の思惑がうかがえる。しかし、政情不安に陥ったハイチでのPKOが、停戦合意など自衛隊派遣の法的条件を満たしているのか十分吟味されたとは言えない。「政治主導」には危うさがつきまとう。一つ一つの政策決定に一層の熟慮が求められる。