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社民党、鳩山政権からの離脱を決定

2010年5月31日 1:20
社民党、鳩山政権からの離脱を決定

 アメリカ軍普天間基地(沖縄・宜野湾市)の移設問題をめぐり、福島党首が閣僚を罷免されたことを受け、社民党は30日、鳩山政権から離脱することを決めた。鳩山首相は厳しい政権運営を迫られることになる。

 会見で、福島党首は「政権を離脱することを決定しました。『辺野古に(基地を)造らない』と国民、沖縄の皆さんに約束した社民党は『自分たちの言葉に責任を持つ政治』をしっかりやっていかないといけない。政治の原点、国民に約束したことを社民党は果たしていく立場でいく。政権を離脱するので、与党というわけにはいかない」と述べ、閣外協力ではなく野党になることを明言した。また、民主党との選挙協力については、今後検討していくとしているが、ごく一部の選挙区を除いて解消される見通し。一方、今国会に政府・与党が提出した法案の成立には協力していく考え。また、国土交通省の辻元副大臣も31日に辞表を出す方針を明らかにしている。

 こうした中、野党側は攻勢を強めており、鳩山首相の退陣を求めている。自民党・谷垣総裁は「鳩山首相では解決できない。退陣するか(衆議院の)解散で信を問うか」と述べた。自民党は今後、鳩山内閣の不信任案を提出する考え。不信任案への対応について、福島党首は「きょう(30日)の段階ではコメントできない」と述べ、同調にも含みを持たせている。

 一方、民主党は、普天間基地の移設先が辺野古に戻ったことで国民のさらなる批判を浴びている上、社民党の連立離脱で選挙戦略の見直しが迫られることになる。党内からは参議院議員選挙に向けて「鳩山首相は辞任すべき」との声も出ている。渡部元衆議院副議長は「『首相発言の85%は信頼できない』という。本当に国民に申し訳ない。『ついに鳩山君が決断した。小沢君が決断したなあ』というのを、神様に祈るような気持ちで願っています」と述べた。また、ある中堅議員は「あした(31日)から参議院の改選組は火を噴く」と語っている。社民党の離脱に反対し、鳩山首相と亀裂が生じているとの見方もある小沢幹事長の対応が焦点となる。

 鳩山首相は30日夜、訪問先の韓国から帰国した後、首相公邸で平野官房長官らと会談し、今後の対応について意見交換した。

 連立のパートナーを失った鳩山首相。民主党内の反発も受けて、週明けから極めて厳しい政権運営を迫られることになる。