菅首相、TPP参加に前向きな姿勢アピール
世界の政治・経済のリーダーが参加するスイスのダボス会議で、菅首相は日本時間29日、TPP(=環太平洋経済連携協定)の参加に前向きな姿勢を国際社会にアピールした。
菅首相「私は今年“第三の開国”を実現することを大きな目標に掲げました。具体的政策の大きな一つが経済連携の推進です」
菅首相は、「開国」という言葉を10回以上繰り返し、TPP参加への意欲を印象づけた。その上で、参加するかどうか6月をメドに結論を出すとも述べた。一方、講演を聴いた人からは「日本は毎年、首相が代わるので、約束しても意味がない」と冷ややかな声も聞かれた。
アメリカの会社による長期国債の格付け引き下げに「疎い」とコメントして、野党から批判を浴びている菅首相は、ダボスで存在感をアピールしたいところ。「ここでしか会えないリーダーたちに会いたい」として、緒方国際協力機構理事長やアナン前国連事務総長らを招いた会議を主催した。
菅首相「日本が自信を取り戻して、国際的にも責任を果たしていこう、国内的にも改革をどんどん進めていこうと、意欲は伝えることができた」
しかし、党内外に異論を抱え、議論がまとまる見通しもないままに、国際舞台でTPPへの態度決定の期限を表明したことには、民主党内からも「第二の普天間になる」と心配する声がある。「平成の開国」というスローガンを、菅首相の言うように「有言実行」できるのか、今後、指導力が問われることになる。