【解説】日本の秘策とは? トランプ政権との“関税”直接交渉まであと3日
アメリカ・トランプ政権との関税の直接交渉まであと3日。日本側の秘策について、日本テレビ政治部官邸キャップの平本典昭記者が、以下の3つの戦略を解説します。
1. 異例「首相チーム」で直接交渉へ
2. 米に「刺さるカード」懐に忍ばせ
3. 「ピンチ」でなく「チャンス」?
鈴江奈々キャスター
「1つ目の、異例『首相チーム』で直接交渉へとはどういったことでしょうか?」
政治部官邸キャップ 平本典昭記者
「トランプ政権との交渉役に指名されたのは、赤沢経済再生担当大臣です。自民党内からは『外交経験が少ない』『実力不足だ』などという不安視する向きもあります。しかし政権は秘策として、石破首相を支えてきた『総理交渉チーム』を赤沢大臣に付けたようなんです。ある政府関係者は『総理チームをそのまま大臣に付けるのは異例のバックアップ体制』だと話しています」
「石破首相の2月の日米首脳会談は『成功』との評価も多かったですが、事前に30時間以上の勉強会を行いました。そのチームの外務省の担当者、経済産業省の担当者などが、赤沢大臣のアメリカ訪問にも同行して交渉にあたるということです」
鈴江キャスター
「そして2つ目。アメリカに『刺さるカード』懐に忍ばせ、というのはどういった戦略でしょうか?」
平本キャップ
「アメリカ側が仕掛ける『ディール』=交渉に対して、トランプ政権に『刺さるカード』は何か、日本政府は準備を進めています。これまでの取材でアメリカ側が日本側に求めてきそうなテーマはいくつか見えてきています」
「1つ目は、コメなどの農産品のさらなる市場開放です。トランプ大統領は事実と異なりますが、日本のコメの関税は『700%』などと不満を示しています」
「2つ目は、アメリカの自動車の輸出拡大に向けた日本国内のルールの緩和。3つ目は、アメリカ産の液化天然ガスの輸出を拡大することです。この他、ドル高円安の緩和に向けた為替の問題や新たな防衛装備品の購入なども聞きます」
「それに対してある交渉チームに入っている幹部は『アメリカに刺さるカードは10枚以上。懐に忍ばせて交渉には臨む』と準備が万全だと自信を覗かせています。14日、石破首相も国会で『ロジック面、感情面、これ以上ない精緻な分析をして臨む』と話していました」