【全文】岸田首相が所信表明演説 臨時国会きょう召集
■新型コロナ
ここで、新型コロナ対応についても申し上げます。
この一年、国民の命と健康を守りながら、社会経済活動を止めない。専門家の皆さんの意見を聞きながら、この二つの両立に全精力を傾けてまいりました。
三年ぶりに、緊急事態宣言等の行動制限を行わずに、今年の夏を乗り切れたのは、国民の皆様お一人おひとりが、基本的な感染対策を徹底してくださったおかげです。
また、日々の感染リスクがある中で、医療、福祉の現場を支えていただいている方々に、厚く御礼申し上げます。
これから、秋が深まるにつれ、インフルエンザと新型コロナが同時流行した時の備えが重要となります。
何よりも重要なのは、ワクチンによる予防です。
先月から、オミクロン株に対応した新型ワクチンの接種を開始しました。今月末までには、対象者全員分の新型ワクチンが輸入される見込みです。
年末年始に備えて、山場となる今月から十一月にかけて、接種券の配布、会場確保など、一日百万回を超えるペースの体制を整備して、ワクチン接種を加速していきます。
インフルエンザとの同時流行を想定した外来等の保健医療体制の確保も進めます。
また、先月には、ウィズコロナに向けた新たな段階への移行の全体像をお示ししました。科学的知見に基づきながら、できるだけ平時に近い社会経済活動が可能となるよう、取り組んでまいります。
マスクについては、引き続き、屋外は原則不要です。近くで会話をしない限り、屋外でのマスクは必要ありません。基本的な感染対策はメリハリをつけて、マスクは場面に応じた適切な着脱に努めていただきたいと思います。
これらの取組に加え、次の感染症危機に備え、法律に基づき、機動的かつ効果的な緊急時対応が可能となるよう、感染症法等の改正案を提出いたします。また、司令塔機能の強化、日本版CDCの創設にも取り組んでいきます。
■災害対策
今年も、全国各地で、大雨、台風、地震、噴火などの自然災害が相次ぎました。お亡くなりになられた方々に、哀悼の意を表するとともに、被災された全ての皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。
線状降水帯による豪雨など、災害が、激甚化・頻発化する中で、国民の生命・財産を守り、災害の被害に遭う方を、一人でも減らすことは、我々の使命です。
五か年加速化対策を推進するとともに、更なる取組のための新たな基本計画を策定し、中長期的かつ継続的に、防災・減災、国土強靱化に取り組みます。