渡具知氏勝利 基地移設に勢いづく政府与党

アメリカ軍普天間基地の移設問題を争点とした沖縄県・名護市の市長選挙で、移設を進める政権与党が支援した新人の渡具知武豊氏が、現職を破り、初当選を果たした。一方、今回の結果を受け、基地移設を進める政府与党側は、安どすると共に勢いづいている。
翁長知事と共に移設反対派の象徴とも言える現職市長を破ったことで、政権幹部は、「反対派は徹底的に崩れた。基地移設を進めやすくなった」と喜びをあらわにした。
自民党・塩谷選対委員長「基地の対応と経済、教育福祉、そういったものを両立させようということが、私は市民に理解されたんだと思います。(Q:今後の辺野古移設はどう進める?)今までの計画通り進めていくことになると思う」
アメリカ軍機のトラブルに松本前副大臣の失言も重なり、逆風も予想された中での勝利に、自民党幹部は「市民は基地の話はもう飽き飽きしていたということだ」と分析している。
また、政府与党の幹部が次々応援に入るなど総力戦を展開しており、別の幹部は、「公明党との協力の成果であり、企業・団体などの組織選挙がいきた」と勝因を語った。
一方、共産党幹部が、「渡具知候補は徹底した争点隠しをした。ひきょうだ」と述べるなど、野党側は悔しさを隠しきれない。
ただ、立憲民主党幹部は、「ヘリのトラブルなどがあった中で勝たれたというのは大きい」と落胆していて、戦略の練り直しが迫られる。
この勝利で政府与党側が勢いづくのは、次は移設反対派のトップ・翁長知事にねらいを定めているからだ。政権幹部は、「これで知事選挙も勝てる。翁長知事はもうダメだろう」と述べていて、秋の知事選挙でも勝利し、辺野古移設を推進できる環境を固めたい考え。