裁量労働制拡大を切り離し 首相が方針転換
安倍首相が働き方改革をめぐり一歩後退。安倍首相は先月28日夜、働き方改革関連法案から裁量労働制の拡大を切り離す方針を決めた。
裁量労働制をめぐっては厚生労働省のデータの不備が相次いで見つかり、野党側は「根拠が間違っていた」として、裁量労働制の拡大は撤回するよう求めていた。
こうした中、安倍首相は、法案から裁量労働制の拡大を切り離す方針を固め、来年度予算案の衆議院通過を待って、先月28日夜、加藤厚労相や与党幹部に伝えた。
安倍首相「厚生労働省において(裁量労働の)実態を把握した上において、議論をし直すようにすることとした次第であります」
この方針転換は、9月に自民党総裁選挙を控える中で、国民の批判をできるだけ避け、波乱要因を減らしたいとの思惑もあると見られる。
安倍首相は、残りの部分の法案については、「今の国会で成立させたい」と強調した。しかし、安倍首相がこの国会の最重要法案と位置づけていた働き方改革関連法案の形が変わることになり、政権の求心力が低下する可能性も出ている。
一方、立憲民主党の枝野代表が、「問題点を国会審議で明確にしてきた成果だ」と話すなど、野党側は今後、攻勢を強める方針。