焦点は9条…自民党、改憲で集約難航の裏側
今月中に憲法改正案の取りまとめを目指す自民党。最大の焦点となる9条について、100人以上の議員から条文案を集めているが、党内の意見の集約は難航している。
先月16日、憲法の条文案作りに励んでいたのは、当選1回の若手・松川るい参議院議員。元外交官だ。外国の憲法を学ぶたびに日本の憲法に疑問を持ったという。
自民党・松川るい参議院議員「(人口100万人以上の国で)憲法上に自衛権とか軍隊に関する規定がない国なんてない」
松川議員は、日本を取り巻く安全保障環境を踏まえると、9条に「自衛権」を明記することが必要だと考えている。
自民党・松川るい参議院議員「ポイントは、自衛隊が自衛権を行使する存在として存在しているということを、憲法上明らかにすること」
条文案を作り終えたあとは──
自民党・松川るい参議院議員「(条文案を)送っちゃいました」
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憲法改正の最大の焦点「9条」。安倍首相は、「戦力の不保持」を定めた2項を維持した上で自衛隊の存在を明記する案を提案。
一方で、石破元幹事長は、2項を削除した上で自衛隊を書き込む案を主張している。
自民党・石破茂元幹事長「(自衛隊は)必要最小限度のものしか持っていません、だから戦力じゃありません、だから軍隊じゃありません、という論理をずっと使ってきたんですね。私は今はそんな時代だと思いません」
石破元幹事長は、安倍首相の案では自衛隊が戦力にあたるかどうか解釈論争が残ると指摘。
自民党・石破茂元幹事長「『安倍さんが言うんじゃね、それに反対できないよね』という空気がありますよね。公明党とも話をしていない、国民一人ひとりに理解を求めて説明もしていない。総裁がそうおっしゃるんだからね、という考え方。私はその立場には立っていないのです」
石破氏はブログで条文案を公開。「陸海空自衛隊を保持する」と明記し、9条の全面的な書き換えを訴える。
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先月28日に開かれた全体会議でも、様々な意見が飛び交った。
自民党・石破茂元幹事長「一定の方向に収れんするという感じではない」
自民党執行部は、今月25日の自民党大会までに、2項を維持する安倍首相の案に沿って取りまとめる方針だが、難航が予想される。