翁長氏の後継者が当選 政府・与党側は落胆
沖縄県知事選挙は9月30日に投票が行われ、翁長氏の後継として、アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設反対を掲げた玉城デニー氏が初当選した。今回の結果に、普天間基地の辺野古への移設を進めようとしている政府・与党側は、落胆している。山崎大輔が中継で伝える。
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安倍政権は、この知事選挙に勝利して辺野古移設に向け弾みをつけたかっただけに、自民党幹部は、「政権にとって大打撃だ」と肩を落としている。
自民党・塩谷選対委員長「知名度の差だったと思います。翁長さんが亡くなって、弔い合戦的な状況が続いた」
敗因について多くの与党幹部は、候補者の知名度不足をあげた。
一方、辺野古移設への影響だが、ある自民党幹部は「影響はない」と述べていて、政府はこれまで通り進める方針。
ただ、知事選に勝利して移設工事を推進するもくろみは外れた。当面は、玉城氏の出方も見極めながら、慎重に進めざるを得ない状況だ。
また、自民党総裁選挙で3選を果たした安倍首相にとっては出鼻をくじかれた形で、来年の統一地方選挙と参議院選挙に向けて、態勢の立て直しが求められる。
これに対し、野党側は、各党が推した玉城氏の勝利を来年の選挙に向けて弾みとしたい考えだ。ある野党幹部は、「今後さらに野党一丸となってやることになる」と勢いづいている。
10月2日の内閣改造、党役員人事に向け、安倍首相は、人事の調整を本格化させるが、今回の敗北は影を落とす可能性がある。
まず、焦点となるのは、自民党の総務会長だ。安倍首相が意欲を見せる憲法改正に向け、党内の意思統一をはかることが求められるからで、首相の盟友、甘利元経済再生担当相の名前も挙がっている。
一方で、今回の敗戦によって塩谷選対委員長については、党幹部から「責任を負うことになるかもしれない」と、交代するとの見方も出ている。
「適材適所」を強調する安倍首相だが、総裁選の論功行賞を求める声も強まっていて、難しい判断を迫られている。