“アベノミクス成果”安倍首相の主張を批判
国会で、野党側は、アベノミクスの成果をはかる経済指標をめぐり、実質賃金よりも1人あたりの賃金に雇用者数を掛け合わせた総雇用者所得を重視するべきとの安倍首相の主張を批判した。
野党側は、総雇用者所得の伸びは、生活苦で働かざるを得ない非正規労働の高齢者が増えたことが要因だと批判したのに対し、安倍首相は、あえて非正規を選ぶ高齢者が多いと反論した。
国民民主党・緑川貴士議員「生活が苦しくて多くの高齢者が働きに出ていかざるを得なくなっている。まさにこれが、総雇用者所得がプラスになっている大きな要因ではないんですか」
安倍首相「労働力調査によると、65歳以上の方が非正規雇用として働く理由については、『自分の都合の良い時間に働きたいから』という理由が、『家計の補助・学費などを得たいから』や、『正規の仕事がないから』という理由を上回っており、生活が苦しいために65歳以上の方が働きに出ていかざるを得ないことが大きな要因とのご指摘は当たりません」
また、国民民主党の緑川議員は、政府は「戦後最長の景気回復とけん伝しているが、家計の消費は伸びていない」などと指摘し、本当にことし10月に消費税率を引き上げることができるのか、ただした。
これに対し安倍首相は「消費は持ち直しが続くことが期待される」と述べた上で、リーマンショック級の出来事がない限り、引き上げを行う考えを改めて示した。