トランプ氏と会談も「想定外のこと起きなかった」政府内に安堵感 関税…今後の交渉は
赤沢経済再生担当大臣は、“トランプ関税"の見直しに向けた協議に先立ち、ホワイトハウスで急きょ、トランプ大統領と会談を行いました。日本政府内の受け止めについてお伝えします。
日本政府内には、「想定外のことは起きなかった」とひとまず安堵感が広がっています。
16日夜にトランプ大統領が交渉への参加を発表すると、日本政府内には「何を要求されるか分からない」といった動揺が広がりました。つまり、協議の場を引っかき回されるのではという懸念があったわけです。
しかし、実際にはトランプ大統領との会談と、実務的な話し合いをする閣僚協議は別々に行われ、政府関係者らも胸をなで下ろした形です。
ある政府関係者は、「トランプ大統領が急きょ、参加したのは、日本との交渉に強い関心を持っているからだ。一方で、国内向けのパフォーマンスの意図もある」と分析しています。
今後はまず、今月中に赤沢大臣が再び協議に臨むことになります。トランプ大統領が示した90日間の猶予、つまり7月上旬に間に合わせるには密度の濃い協議が必要になってきて、政府関係者も「担当閣僚同士が2週間に1回ぐらいは顔を合わせなければ、90日間の期限に間に合わない」と話しています。
石破総理も17日、「最も適切な時期に直接会談することも“当然”考えている」と、トップ会談による決着に再び意欲を示しました。
早期の合意はアメリカ側の狙いでもあります。ただ、今後アメリカが在日米軍駐留経費など安全保障面での要求をさらに強めてくる可能性もあり、日本政府内では「焦って交渉すれば厳しい条件を突きつけられるだけだ」と慎重な声も上がっています。
今後、両国の国益をかけた交渉がいっそう激しくなりそうです。