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【解説】“消費税減税” 石破首相はなぜ慎重? 野党「何もしない」と批判

2025年5月12日 19:41
【解説】“消費税減税” 石破首相はなぜ慎重? 野党「何もしない」と批判

12日、「消費税の減税」について国会で激しい議論になりました。野党側の「何もしない自民党」という指摘に、石破首相は「なぜ何もしないとあなたは決めるのか」と、語気を強めて反論する場面もありました。

石破首相は、消費税の減税になぜ慎重な姿勢なのか。政治部官邸キャップの平本典昭記者が、次の3つの疑問について解説します。

1. なぜ?「前向き」→「慎重」に
2. 8割が減税も…キーマンが拒否
3. 「減税」選挙にプラスでない?

鈴江奈々キャスター
「まず、なぜ?『前向き』から『慎重』に。これは誰の変化なんでしょうか?」

政治部官邸キャップ 平本典昭記者
「石破首相の心の変化です。現時点で石破首相は慎重な姿勢ですが、実は4月頃は今より『前向き』だったんです。食料品に限定しての消費税の減税を検討していた、といえます」

「石破首相は当時、周辺に『低所得者支援として食料品の消費税8%を5%にする可能性はある』と言及していました。さらに、政権幹部も『石破首相は消費税減税に理解を示している』と述べていたんです」

「それが、ここに来て慎重に変わったようなんです。理由について石破首相は12日も『社会保障を守るために「大事な財源」』という点を強調していました。少子高齢化が進み、年金、医療、介護などの社会保障費が伸び続ける中、消費税は下げられない、というものです」

鈴江キャスター
「2つ目の疑問ですが『8割が減税を求めるもキーマンが拒否』というのは、どういうことでしょうか?」

平本記者
「今、政府与党内を広く見渡すと『消費税を減税すべき』という声は多くあります。大きく2つのグループです」

「1つ目は参議院の自民党。アンケートを行った結果、『8割が減税を求めている』という結果だったそうです」

「2つ目は、連立パートナーの公明党です。ともに、夏に参院選を控える中、選挙に勝つため『減税が必要』と考えています。にもかかわらず、石破首相が慎重なのは、1人のキーマンが拒否していることが大きいといえます。その人物とは、自民党の森山幹事長です。森山氏は11日も講演で『財源がないとつじつまがあわない』と否定的な考えを示しました」

「ある政権幹部は『森山さんが反対なのが大きい。森山さんが敵にまわれば政権運営が続かない』と話しています。さらに森山氏に加え政権幹部、党幹部など『コアチーム』が慎重だったことが、石破首相の考えに影響を与えたといえます」