契約切られ「生活が苦しい」“就職氷河期”実情を取材 非正規・年金不安・低賃金…約80万人が支援必要
非正規雇用など、今、支援が必要な人たちが約80万人いると言われる就職氷河期世代。政府が25日、支援策の強化に乗り出す中、「生活が苦しい」という“当事者”に密着しました。
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24日、埼玉県内にあるハローワークでは…
ハローワークの相談員
「それさえ頑張れば派遣じゃなくて、正社員で頑張るっていう道が見えてくるので」
“就職氷河期世代”らを対象とした相談窓口には、支援を求める人が訪れていました。
“就職氷河期”とは、バブル崩壊後の1993年から2004年までの“就職難”だった時代。現在、主に40代から50代前半の人たちです。
就職活動中の学生(1994年)
「厳しいですね。(採用)1人とかそういうところに、やっぱり1000人とか1万人とか集まっちゃうので」
就職活動中の学生(1994年)
「同情するなら内定くれ!」
この“就職氷河期世代”は1700万人以上いて、非正規雇用など現在も支援が必要な人は約80万人いると言われています。
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私たちはハローワークに相談に来ていた“氷河期世代”の女性を取材しました。
現在、母親と2人暮らし。これまでIT企業や製薬会社など20社以上に勤めましたが、ほとんどが非正規雇用だったといいます。
氷河期世代 就職活動中(52)
「求人数が少なくて応募者が多い時代でしたので、なかなか就職するのが難しい時代でした。時間とか融通が利く派遣社員でやってきました」
しかし…
氷河期世代 就職活動中(52)
「契約で(今年)3月まで働いていて、契約を切られてしまいました。(生活が)もっと苦しくなるかなと思います」
貯金も少なく、母親の年金は2か月で約5万円。職が失われたことで、母親の年金と兄弟のサポートが頼りだといいます。
氷河期世代 就職活動中(52)
「母が昔、農家をやっていたので、そのつながりでそういった方が(食材を)持ってきてくださる。感謝しかない」
将来への不安から、非正規ではなく正社員を希望しているという女性。
氷河期世代 就職活動中(52)
「今までの自分の派遣社員としての気持ちではなくて、正社員としての気持ちで。(母と)2人で生活していくことになると本当にどうしたらいいんだろう、という不安に夜になるとかられたりする 」