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【年収の壁】ひとつの節目…国民民主が拒否、最大160万円与党案で国会提出へ

2025年2月27日 6:33
【年収の壁】ひとつの節目…国民民主が拒否、最大160万円与党案で国会提出へ

年収「103万円の壁」の見直しをめぐり、自民、公明の与党と国民民主党の協議は26日で事実上打ち切りとなり、178万円に引き上げられることは当面はなくなりました。与党は年収によって4段階に分けて壁を引き上げる与党案を、政府案の修正案として国会に提出する考えです。

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与党と国民民主党による「103万円の壁」をめぐる議論が、26日に“ひとつの節目”を迎えました。

自民党 宮沢税調会長
「かなり知恵を出して提案したつもりですけれど、最終的にそれが成案とならなかった。『103万円の壁』をめぐる問題については、自公で税法を修正して衆議院の審議をお願いしたい」

与党が出した案を国民民主党が拒否したため、合意に至らず。今後、与党側は現在の与党案を、政府案の修正案として国会に提出する考えを示したのです。

年収が103万円を超えると所得税などがかかる「103万円の壁」をめぐっては、国民民主党は一貫して178万円まで壁を引き上げるべきと主張。一方、与党案は、所得税の非課税枠を上乗せする対象は、年収850万円以下まで拡大。その上で年収によって壁の引き上げ幅を4段階に分けるというもので、年収200万円以下の人は、壁が160万円まで引き上がります。

年収という条件をつけることで、必要な財源を少なくしたい与党側。この案を先週、国民民主党に提案し、26日に返ってきた答えは…

国民民主党 古川代表代行
「我が党としては、この案では受け入れることは難しい。これでは予算に賛成できないと、きょうも自公(与党側)にも伝えました」

「所得制限のある案は受け入れられない」と拒否したというのです。

国民民主党 古川代表代行
「手取りを増やす、二度とデフレに戻さないようにする。その意欲というか認識が、与党側には十分ではなかった」

国民民主党は党内で協議をし、最終的な結論を27日、与党側に伝えるとしていますが、与党側は予算案をめぐる協議は「タイムリミット」だと主張。来年度に向けた修正協議は事実上、打ち切りとなりました。

自民党 宮沢洋一税調会長
「率直に言って、合意に達しなかったのは大変残念ですが、この協議を通じて成果はあったのかなという思い」

公明党 赤羽税調会長
「国民民主党さんが言わんとすることから始めて(修正案を)作ったので、合意できなかったのは非常に残念。正直言って納得がいかない」

一方、役職停止中の玉木代表は26日夜、SNSで苦言を呈しました。

玉木氏のSNSより
「私たちが目指した税制改正とは全くかけ離れた姿である。物価高騰に苦しむ国民を救うことも、働き控えを解消することもできない」

しかし、壁を178万円に引き上げるために必要な8兆円近いとされる財源については、言及しませんでした。

交渉が合意にいたらなかったことで、国民民主党が掲げていた、178万円までの引き上げは当面実現しませんが、最大で160万円まで壁が引き上がる与党案が、国会に提出される見通しです。

(2月26日放送『news zero』より)

最終更新日:2025年2月27日 6:33