「田畑議員を支援できない」方針 空席の富山1区支部長 結論に至らず
自民党富山市連は昨夜、田畑裕明衆議院議員の無断・架空の党員登録問題を受け空席となっている、次の衆院選の候補者となる富山1区の支部長について会合を開きました。関係者によると県議や市議など執行部からは「田畑議員を支援できない」との方針が示されましたが結論には至りませんでした。
昨夜の会合には県議・市議のほか各地域支部の支部長らが出席しました。
自民党富山市連 中川忠昭支部長
「これまで問題になってきている第1選挙区支部の支部長問題についても、皆さんにご意見をうかがいながら、前に進めていきたい」
田畑議員の一連の問題を受け、現在空席となっている 富山1区の支部長選考については、田畑議員を再び選ぶのか、それとも新たに誰かを立てるのかが焦点となっています。
会合は冒頭を除いて非公開で行われ、関係者によると市連の執行部は各地域支部長らに対し「県議・市議としてはこれ以上田畑議員を応援できない」として、支部長選考から田畑議員を外す方針を示したということです。
自民党富山市連 中川忠昭支部長
「要するに県議市議が思っていることを伝えたということです。田畑議員を擁護する意見もあると。そういうことについて、どんなふうにやるかと」
一部の地域支部長からは田畑議員を擁護する意見もあがり、きのうの会合では結論に至りませんでした。自民党富山市連は今後も協議を続けるとしています。
取材している神林記者です。自民党富山1区の支部長選考について昨夜の会合では結論が出なかったんですね。
まずはこれまでの経緯と現状を整理します。
田畑議員をめぐっては、去年11月、衆院選で当選した直後に、合わせて262人の無断・架空の党員登録が発覚しました。
事態を重く見た県連は、富山1区の選挙区支部長について、県連からの申請がなければ田畑議員を支部長に選任しないという対応を取りました。
選挙区の支部長は、次の衆議院選挙の公認候補となるため、この次の支部長に田畑議員が再び就くのか、あるいは別の誰かを選ぶのかがポイントとなっています。
そしてきのうの会合では、県議や市議など執行部から「田畑議員を選ばない」との方針が示されたということですね。
この背景には、執行部の危機感と田畑議員への不信感があります。
自民党富山市連 中川忠昭支部長
「前回の総選挙で、ああいう結果になってしまったわけですよね。その後、そういう事件が起きて、それ以上よくなっているわけじゃないので。そのことについて我々議員側は、そういうことについて、どうやって勝てるかというかを考えているのか、私の方から説明したわけです」
去年の衆院選では田畑議員は738票差で辛うじて当選しましたが、前回選挙で得た7万票あまりから2万5000票も減らし、さらに野党に比例復活を許しました。
そして先月の富山市議選では、自民党のほとんどの候補が票を減らし、現職4人が落選する厳しい結果となりました。
富山市連の県議・市議はこうした結果に田畑議員の一連の問題が影響しているとみているんですね。
執行部の中には、田畑議員を外すことが夏の参院選対策にとって重要だと話す役員もいて、危機感が今回の動きにつながっています。
一方で、きのうの会合では田畑議員を擁護する意見も地域支部長から出されました。市連執行部と擁護する支部長との間には大きな隔たりがあります。
自民党富山市連 中川忠昭支部長
「参議院選挙に向けての厳しさと言うかな、あまり感じておられない気がしたね。僕らはものすごく厳しいと思っているわけですよ、支部長幹事長はそんなに思ってないね、と私は思いましたけどね」
田畑議員を擁護する意見としては、これまでの実績を重視すべきとの声や、無断架空の党員登録問題についても「許してもよいのでは」といった意見が出ています。
結論はいつでるのでしょうか。
現時点では状況は不透明です。というのも、去年の衆院選の候補者選考でも県議や市議から「田畑議員を推せない」との意見が出たことを受けて、執行部は党員アンケートを行う予定でした。しかし、各校区の支部長らから反対意見が相次ぎ、最終的に田畑議員の擁立が決まったという経緯があります。
今回も同様の展開となる可能性があり、執行部が意見をどのように集約していくのか、流動的な部分が多く残されています。
中川支部長は明確なスケジュールは決まっていないとしていますが、できるだけ早く不安要素を取り除きたいという意向があります。市連執行部は25日の市連の総会に向けて広く意見を聞くとしています。ここで何らかの方向性が示されるかが焦点となりそうです。