【独自解説】フランスの総選挙は“驚き連発”の大ギャンブル⁉日本とは違う選挙の勝ち方 フランス「支持率が低いから解散」、日本「この支持率で解散は困る」 親子“絶縁”に与野党“連立”も…
そして『自国民優先・移民政策厳格化』、ここです。「フランスは優しい国だ」と無条件で移民をバンバン入れていると仕事を取られますし、やはり事件も起きて、治安が悪化しています。あとは、ウクライナへお金をどんどんつぎ込んでいると。これは、日本でもよく言われます。総理が外遊された時に、「外国には気前が良いじゃないか!日本国内は大変なのに!」という批判がよく出ますが、そういうことも、この人たちは主張します。
日本では“極右”と言われていますが、日本人の思う『右翼』のイメージと少し違うのは、やはり「穏やかな暮らしを守るんだ」というところです。私は、“極右”という言葉には少し違和感を覚えます。日本では、今のところ親子で引き継いでいる政党はありませんけど、「党首と絶縁しました」と言う党がありますか?という話です。主張が違うと、そこまでやってしまうということです。
フランスの選挙は日本でいう衆議院ですが、2024年7月7日に投票があり、8日朝に決まりました。フランスは2回やります。全国で580ほどあり、日本と同じで、小選挙区で1人だけやります。1回目の投票は6月にあって、80弱ぐらいの議席があったそうですが、そこで過半数を取ってしまえば、それで投票は終わりです。過半数を取れないと、1~3番目ぐらいの人が決戦投票をやって、1人に絞ります。
ところが、1回目の選挙の時は、日本で言うところの与党に当たるマクロン大統領の政党は人気がなく、3番目ぐらいになってしまいました。日本で言うところの野党に当たる『左派連合』が2番目で、このままだと“右翼系”の『国民連合』が勝ってしまうという危機感から、日本ではまずあり得ないことが起こりました。
与党と野党が、「とにかくここには勝ちたい、ここは勝たせるわけにいかない」ということで話し合いをして、全然政策は違うと思いますが、勝つためだけに組んだんです。同じことを日本でやれば、主要なテレビ局や新聞社が「こんなの野合だ!勝つためだけで良いのか?」と社説に書くでしょうが、世界では評価されるんです。それで、マクロン大統領が大勝負に勝ったと。「既成政党・古い政党が新しい党の勢いを封じ込めるのに成功したことは、政治家の技量としては凄いではないか」みたいなニュースが、欧米から流れてくるわけです。ここは、日本と全然違うところです。