子宮移植 臨床研究の実施計画を学内委が承認 実際に行うかを今後検討~慶応大学病院~
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生まれつき子宮がない女性の妊娠、出産を可能にする「子宮移植」について、慶応大学病院は、国内で初めて、臨床研究としての移植手術の計画を、学内の審査委員会が承認したと発表しました。
「子宮移植」手術の実施を計画しているのは、慶応大学の木須伊織専任講師らの研究チームで、2022年に慶応義塾臨床研究審査委員会に、臨床研究の実施計画を申請していました。
この実施計画について、慶応大学病院は27日「臨床研究の実施に関する基準」に適合しているとして審査委員会が承認したと発表しました。
この臨床研究は、生体間の子宮移植の有効性・安全性を調べるもので、当時の実施計画書によりますと、母親や姉妹から子宮の提供を受けるとし、対象は20代、30代の子宮性不妊症、つまり生まれつき子宮がない女性3人で、がんで子宮を摘出した人を対象にすることは想定していないとしています。
今回、実施計画が承認されたことを受け、慶応大学病院は今後、臨床研究としての手術を行うかどうかを検討するとしています。仮に「子宮移植」手術が、研究の形とはいえ、実施されれば生まれつき子宮がない女性にも出産の道が開ける第一歩になりえます。
「子宮移植」は、海外では行われているものの、これまで日本で行われていません。2021年に日本医学会が、医学的、倫理的観点などから検討を重ねた結果、生体(生きた人)から提供を受けての子宮移植を少数に限定して、臨床研究を目的として実施することを認める報告書を公表しました。