“ひめゆり発言”の西田議員「正しい歴史観を」 憤る館長「平和教育がめちゃくちゃだと言われた」 “歴史塗り替え”真偽は?
自民党の西田昌司参議院議員による、「ひめゆりの塔」をめぐる発言が波紋を広げています。平和祈念資料館の館長は発言内容を否定し、「体験者の思いを踏みにじる」と反発。西田議員は撤回しない考えですが、歴史の専門家はどう見ているのでしょうか。
あの戦争から80年。1945年3月に始まり、激しい地上戦となった沖縄戦は、日米双方で合わせて20万人以上が亡くなったとされます。
最大の激戦地だった本島南部で犠牲になった「ひめゆり学徒隊」。その女子生徒らをしのび、沖縄県糸満市に建てられたのが「ひめゆり平和祈念資料館」です。
その普天間朝佳館長は7日、自民党の西田昌司参議院議員の発言に憤りをあらわにしました。
「展示がひどいとか、間違った展示があるとか言われると、体験者の思いを否定するものだし、踏みにじるものじゃないかって思いました」
西田議員は3日に沖縄県内で行われた憲法改正に関するシンポジウムで、かつて「ひめゆりの塔」に関する展示を見た印象について、こう発言しました。
「日本軍がどんどん入ってきて、ひめゆりの隊が死ぬことになっちゃったと。そしてアメリカが入ってきて沖縄は解放されたと。そういう文脈で書いてるじゃないですか、あそこは」
また「占領中に間違った歴史観─連合国・アメリカが正しいという歴史観で、歴史が塗り替えられた」とも述べました。
7日に発言の意図を問われた西田議員は「展示を見た印象は、まさに日本軍が入ってきて戦争が始まり、アメリカが入ってきて戦争が終わり平和になったという、そういう文脈を私は感じた」と話しました。
一方、資料館の普天間館長は「彼(西田議員)が言っているのは全く過去にも現在にもないので、何を言っているんだと思いましたね」と否定しています。
──そういった展示は、ひめゆりの塔にないと。
西田議員
「祈念館というよりも、なにか近所の洞窟のようなところに入って見たという記憶があるんですけれども。だから祈念館の人がないと言っても、そこだったかどうか、定かではありません」
──撤回する考えはない?
西田議員
「もちろんないです。事実を言っていますから」