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“ひめゆり発言”の西田議員「正しい歴史観を」 憤る館長「平和教育がめちゃくちゃだと言われた」 “歴史塗り替え”真偽は?

2025年5月9日 9:24

■身内からも苦言「本当に残念」

野党からは批判の声が上がります。

立憲民主党の野田代表
「ちょっと信じがたい発言だと思いますし、沖縄県民の気持ちを逆なでするような発言なので、私は訂正すべきだと思いますね」

身内からも苦言がありました。

自民党沖縄振興調査会長の小渕優子議員
「こうした1人の発言によって、我々が一生懸命やってきたことが評価されないこと、また沖縄の皆さんの気持ちを傷つけてしまったこと、本当にこれは残念な思い」

■西田議員「既存のマスコミは…」

西田議員は「正しい歴史観を持つべきという思いで発言している」と主張しています。7日、報道陣を前にこう語りました。

「オールドメディアといったら失礼だけれども、既存のマスコミ・学者・政治家はかつての占領中に言われた価値観や考え方をずっと正しいと言い続けているわけですよ」

「それに少しでも違うと異議を唱えたら、何を言っているんだとパージ(排除)するわけ。まさにそれが、いま私がされているわけですよ」

──もう一度現地を訪れて、正しい情報をもとに発言し直す考えは?

西田議員
「いずれね、僕もまた行ってみたいと思います。それはいずれ行きたい」

■発言にぶれも…ファクトチェックは?

藤井貴彦キャスター
「発言以降、波紋が広がり続けています。西田議員が言っていたような『連合国・アメリカが正しいという間違った歴史観で歴史が塗り替えられた』という印象を受けるような展示はあったのでしょうか?」

小栗泉・日本テレビ解説委員長
「まず、ひめゆり平和祈念資料館の館長は『一方的にどちらが正しい、どちらが悪いといった展示は、この資料館にはないと思う』と反発しています」

「また西田議員は、初めはひめゆりの塔で見た印象だと言っていましたが、7日になって『近所の洞窟のようなところに入って展示を見た記憶がある』とした上で、『定かではない』としています」

「これについて資料館の担当者は『そもそも資料館の近くに洞窟はない。また館内に当時の洞窟を再現した模型はあり、敷地内に模型のモデルとなった洞窟はあるが、中に入れないし、西田議員が言うような展示もない』と否定しています」

藤井キャスター
「この発言内容をファクトチェックすることはできるのでしょうか?」

小栗委員長
「ファクトチェックしようと思ったのですが、なかなか難しいです」

「というのも、7日の取材に対して西田議員は『展示を見てそういう印象を持った』『同じ展示を見ても、皆さんはそう思わないかもしれない』と、あくまで本人の印象、感じ方を言っているのであれば、ファクトチェックのしようがなくなります」

「そもそも西田議員はひめゆりの塔を訪れた時期について『10数年前』と言ったり、『20年以上前』と言ったり、かなり曖昧な記憶に基づいていて、発言がぶれています」

「今回の発言について館長は『沖縄の平和教育がめちゃくちゃだと言われた。資料館にとって大きな損失。確認せずに発言したことは悔しい』と憤りをあらわにしています」

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■歴史の専門家に聞く…発言の問題点は