52歳、契約切られ「手取り24万円がゼロに」──“氷河期世代”の実情は 80万人に支援必要? 専門家「高齢者になったら…」
“就職氷河期世代”をめぐり、政府が支援を検討しています。夏の参院選をみすえ、与野党も支援策を打ち出し始めました。非正規雇用など支援が必要な人は約80万人いると言われます。実情はどうなのか。就職難を経験した52歳の女性に話を聞きました。
「面接終わったあとに『いつから来ますか?』って言われたら、GW明けくらいから働きたいんですよ」
24日、埼玉・川口市にあるハローワーク。就職氷河期世代らを対象とした相談窓口には、多くの人が訪れていました。
就職氷河期とは、バブル崩壊後の1993年~2004年の就職難だった時代で、現在主に40代~50代前半の人たちが該当します。
1994年当時の映像では、就職活動中の学生が「厳しいですね。(枠が)1人のところに1000人とか1万人集まっちゃうので」「同情するなら内定くれ」と話していました。
就職氷河期世代は1700万人以上いて、そのうち非正規雇用など支援が必要な人は約80万人いると言われています。
そのうちの1人、現在52歳の女性を訪ねました。
就職氷河期世代(52)
「求人数が少なくて応募者が多い時代で、なかなか就職するのが難しい時代でした。派遣社員の募集が多かったので、そちらで就業するしかないなと」
これまで製薬会社など20社以上で働いてきましたが、ほとんどが非正規雇用だったといいます。さらに女性は「契約(社員)で3月まで働いていたんですが、契約を切られてしまいました」と明かします。
会社の都合で3月に契約が切られ、手取り24万円の収入がゼロに。女性は80代の母親と2人暮らし。わずかな貯金を取り崩しながら兄弟からのサポートと、母親の2か月約5万円の年金でどうにかつないでいるといいます。
「どうしたらいいんだろうという不安に、夜になったらかられたりします」