×

無限からあげ…?“やってみたい”の実現

2020年4月6日 16:26
無限からあげ…?“やってみたい”の実現

長野県・塩尻市役所職員の山田崇さん。塩尻市における新型コロナの現状や、普段の具体的な活動内容について話を聞いた。

――塩尻市での、新型コロナウイルスの現状はいかがでしょうか。

まだ塩尻市内で感染者が出たということはないのですが、引き続き手洗い・うがい・マスク着用や不要不急の外出を自粛するといった取り組みをしています。

――山田さん自身も今回はリモートでのご出演ですね。

そうです。今日は長野県の塩尻市から参加させていただきます。よろしくお願いいたします。

――塩尻市の職員ということで、普段どのようなことをされているのか改めて教えてください。

塩尻市役所の地方創生推進課に勤めています。普段は塩尻のシティープロモーション、地方創生、移住定住の促進を担当しております。

――地方創生の一環として代表的なものを教えてください。

2012年4月に始まった、空き屋プロジェクト「nanoda」というプロジェクトが全国で注目いただいています。1軒の空き家を私たちのメンバーがプライベートで借りて活動したのが他の自治体にも好評で、去年は年間で217回、全国でお話をさせていただきました。

――なぜ空き屋プロジェクト「nanoda」を始められたのでしょうか。

23年塩尻市の職員をしているのですが、空き家問題や商店街に人が来なくなったということを仕事で担当するときに、自分が当事者になってみないと分からないことがあるのではないかと思いました。そこでメンバーでお金を出し合って空き屋を借り、現状の課題を知る。それを政策や自分のできることにつなげようということから始めました。

「ちょっとやってみよう」という形で始めた「朝食なのだ」や「ワインなのだ」。「お掃除なのだ」はみんなで空き屋を掃除して自分たちのできることをやろう、という地元の小学生の授業にもなりました。

最近は「eスポーツなのだ」や「無限からあげなのだ」があります。からあげを揚げるのが大好きなパパがいるのですが、家でやると油くさくなって奥さんにすごく怒られてしまうそうです。気の済むまで食べて喜んでもらいたい、からあげを揚げ続けるということをやってみたいということで、仕事やイベントでなかなかできない「ちょっとやってみたい」という市民の声をやってみることで、次の連帯が見えてきたり、よろこんでもらえる人がいるということで、次につなげる小さなアクションをしていく取り組みをしています。

――最近また新たに取り組まれていることを教えてください。

地方創生の一環で、塩尻市が「東芝」や、東京・銀座にある長野のサテライトショップ「銀座NAGANO」と協力をして、塩尻に17あるワイナリーのワインの味を見える化するというテクノロジーを使い、長野県や塩尻ワインを知っていただくプロモーションを行いました。こういった地域のプロモーションや課題解決を自治体だけではなく、民間企業や大学、NPOと一緒にやっていくということが、今私が取り組んでいる仕事の1つであり、すごく楽しくて可能性があります。

日本全国には1741の地方自治体があるのですが、こういった地域の課題解決やプロモーションをどうやったらいいのか、ということから、オンラインを通じて「市役所をハックする!」という取り組みをスタートしています。

投資型のオンラインコミュニティ「市役所をハックする」で実際に活動している様子です。官民連携で社会課題をどうやって解決していくのか、前例のないことにこれから自治体も企業も挑戦していかなければいけない。そのような自分たちで新しいことをやっていこうということを、自治体の地域を超えて、企業と民間・大学を連携して新しい価値を作っていこうと、去年の10月から6ヶ月まずやってみようとしています。

3月は実際にオンラインでイベントを配信しました。全国各地から80人近くの方に入っていただき、こんな形でやっていることにすごく可能性を感じます。距離を超えたりテクノロジーを使ったり、情報共有をすることによって、「こんなことをやってみよう」という新たなアクションにつながるということを、「市役所をハックする!」という形でスタートしています。

【the SOCIAL guestより】