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マナー違反横行で「都市景観賞」受賞トイレを撤去 紅葉名所の寺が“苦渋の決断”

2022年11月24日 20:29

兵庫県西宮市にある平安時代に建立された寺で、市の「都市景観賞」まで受賞したトイレが撤去されることになりました。その理由は、このトイレを利用するというハイキングをする一部の人たちによるマナーの悪さです。

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兵庫県西宮市にある鷲林寺は平安時代に建立された歴史ある寺で、紅葉の名所にもなっています。しかし、今週からトイレの撤去作業が行われ、工事が進められています。

15年前、檀家(だんか)である高齢女性の寄付によって建てられたトイレは、美しい街並み作りに貢献したとして、西宮市の「都市景観賞」も受賞していますが、撤去されることになったのです。

その理由は、ハイキングをする一部の人たちによるマナーの悪さです。このトイレをよく利用するといい、寺の住職は長い間、頭を悩まされ続けてきたといいます。

鷲林寺 住職・藤原栄善さん
「冬場、寒いですから、凍るんですよ。凍って水が出ない状況になったのか、バルブを壊されたり、トイレットペーパーを盗まれたり、使い方が荒い方がごく一部の方でしょうけれど、非常に多かったわけですね。掃除するのも私どもですし、トイレに張り付いてずっと見張ってるわけにもいきませんし」

寺ではトイレの管理に限界を感じ、市に寄贈しようとしましたが、トイレが寺の私有地にあることから認められなかったということです。

参拝客
「変な人がおるんやなぁと思ってね。普通じゃないですよね」
「せっかく寄進されたいいものを生かされていないというのは残念だね。ちょっとショックでしたね」

トイレを撤去した後、建物自体は改築工事を行い、修行のための部屋などとして利用する予定です。今後、代わりになるトイレを市が設置するかについては決まっていないということです。