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2011年4月28日 23:54

原発キーワード「燃料溶融」

原発キーワード「燃料溶融」
(c)NNN

 原子力発電所に関する報道、水や食物などへの影響に関する報道の中で、わかりにくい言葉や気になる情報を毎回1つピックアップし、日本テレビ報道局の担当記者が解説する「原発キーワード」。28日は、「燃料溶融」について、原発事故取材班・鈴木あづさデスクが解説する。

 経産省の原子力安全・保安院は先週、初めて福島第一原発の1号機から3号機の核燃料の一部が「溶融している」と正式に認めた。

 原子炉圧力容器の中には細長い燃料棒がたくさん入っている。燃料棒は、ジルコニウムの合金でできたパイプの中に約1センチのウランを焼き固めた燃料「ペレット」が数百個積み重なっている。ペレット1個分のエネルギー量は、一般家庭の消費電力の約8か月分にもなる。

 保安院は、燃料の損傷について「炉心損傷」「燃料溶融」「メルトダウン(炉心溶融)」の3段階に定義されるとしている。第1段階の「炉心損傷」は、燃料を覆う金属のパイプに傷があったり、穴が開いたりしていても、燃料そのものの形は崩れていない状態を言う。第2段階の「燃料溶融」は、外側の金属パイプが溶けて燃料の一部も溶けてしまって元の形を維持していない状態を言い、溶けた燃料は水面や容器の底にたまっているとみられている。さらに状態が悪化すると、想定されている中で最悪の事態とされている第3段階の「メルトダウン」が起きる。これは、燃料が全てドロドロに溶けてしまい、圧力容器の底に落ちてしまっている状態を言う。保安院は今回、1号機から3号機の原子炉で「燃料溶融」が起きているという見解を示している。

 メルトダウンが進むと、ドロドロに溶けた燃料が再び核分裂の反応を連鎖的に起こす「再臨界」という状態になってしまう。再臨界が起きると、燃料が水蒸気と反応して爆発し、圧力容器などが壊れて大量の放射性物質が大気中に放出されることになる。これは86年に起きたチェルノブイリ原発事故のような最悪の事態だ。しかし、福島第一原発の事故では、原子炉が緊急停止していて核分裂は止まっているため、専門家は「再臨界の可能性は極めて低い」とみている。

 ただ、原子炉が停止して核分裂が止まっても燃料棒は熱を発し続ける。また、金属のカバーや燃料そのものが壊れているため、いまだに放射性物質を含む水蒸気や水などが外に出続けている。こうした状態を止めるには、圧力容器や使用済みの燃料が入っているプールを冷やし続けなくてはならない。