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九電、一般人装い「やらせメール」送信指示

2011年7月7日 1:05
九電、一般人装い「やらせメール」送信指示

 定期検査で停止している玄海原子力発電所(佐賀・玄海町)の2号機と3号機の再稼働に向け、先月26日に県民に向けて放送された説明番組について、「九州電力」は6日夜に急きょ会見し、一般人を装って再稼働に賛成するメールを番組に送るよう4つの子会社の社員に指示していたことを明らかにし、謝罪した。

 番組は、経産省が運転再開に向けて地元の理解を得る目的で製作し、玄海原発の安全性について県民の代表者が国の担当者から説明を受けるという内容で、県内のケーブルテレビやインターネットの動画サイトで生放送された。番組では、視聴者からメールやファクスで意見を募集していたが、原発再開を進めたい九州電力は4つの子会社の社員に対し、一般市民を装って番組へメールを送るよう指示していたという。

 九州電力・真部利応社長は6日夜の会見で、「国の説明会の信頼性を損なうような結果になったことではないかと、心からおわび申し上げたいと思います」と述べた。

 また、「説明番組の趣旨に照らして、活発な議論、理解を深めるためには、私ども原子力に携わる者の意見を出すことも必要ではないかと考え、原子力関係協力会社も含めて意見を投稿するようお願いしたのは間違いのない事実。発電再開の容認の立場という、そういうことからも発言してほしいと。私どもの関係会社4社、それから社内にも一部投げかけられているということでございます。とにかく責任は私にある。だけど、指示していないということは明確に申し上げます」と述べた。

 現時点での進退については「それもちょっと控えさせてください。そういう問題について、いろいろ考えたいと思います。進退まで入るのかどうか、私もこういう事態は初めてですから」と述べた。また、「課長クラスの方の独自の判断か」という質問に対しては「そこがわからないんです」と述べた。また、原発の再開問題への影響については「当然、影響はあると考えられます」と述べた。さらに、「反省しています。結果的に私どもが進めようとしている(原発の)運転再開、もしくは原子力のあらゆる事業についてマイナスにしかならない」と述べた。

 これに対し、佐賀・古川県知事は「再起動についての何とか理解をという思いからだったとは思うが、そこはやっぱり行き過ぎだったということだろうと思います」と述べた。

 一方、海江田経産相は6日夜、「言語道断の行為である。九州電力は今回の信頼失墜行為を真摯(しんし)に反省し、今後、誠心誠意、信頼回復に努めるべきと考える」との談話を出した。また、真部社長を厳重注意とし、九州電力に原因究明と再発防止策を報告するよう指示した。