帰宅困難者の退避場所は…地下通路で実験

東日本大震災では、帰宅困難者を受け入れる一時退避所が少ないなどの様々な問題が浮き彫りとなった。この問題を受け、27日夜~28日朝、東京駅周辺の帰宅困難者の退避場所を考える実験が行われた。
去年3月の震災では、交通機関がストップしたことにより、都内では352万人の帰宅困難者が発生したとみられ、一時的に待機する施設がなかったり、一部の施設に集中したりする事例があった。
今回の実験は、東京・丸の内周辺の企業を中心に結成された、防災について考える協議会が実施した。首都直下地震が発生した直後に、丸の内にある地下通路で一晩過ごすという想定で行われ、地下通路が一時的な避難所として機能するのか、何が必要になるのかなどが確認された。
実験の一つとして、寝るためのマットを敷くとき、どの程度の間隔が過ごしやすいかを参加者が体感した。多くの避難所では10センチ間隔が使われているというが、30センチ間隔にすると、参加者にはより余裕ができたようだった。
参加者は、27日午後10時にマットとテントに分かれて眠った。28日朝、参加者に地下通路で一泊した感想を聞くと、その多くは「寒かった」と話していた。
実施した協議会は、今回の実験を通して「毛布やマットなどの備品を普段、どこに備蓄しておくか」などといった問題点がわかったと話している。
実験は来月にも行われ、滞在が3日目になった場合を想定して行われる予定。