春闘スタート 定昇維持求める組合が増加

10日、労働条件の改善を求めて労働組合が会社側と交渉する春闘が始まった。物価下落や円高が続く中、賃金の引き上げを要求せず、年齢に応じて賃金が上がる「定期昇給」の維持を求める組合が多くなっている。
10日に要求書を提出したのは鉄鋼や造船などの各組合で、東京・千代田区の「新日本製鉄」本社では、労働組合が進藤孝生副社長に要求書を手渡した。組合側は、景気低迷や円高の中、会社が置かれた厳しい状況を踏まえて賃金の引き上げは求めず、年齢や勤めた年数に応じて賃金が上がる定期昇給の維持と、子育て支援の充実などを要求した。
一方、経営側をまとめる経団連は「東日本大震災や円高の影響を受けている企業では、定期昇給も当然とはいえない」と主張していて、今年の春闘も厳しい交渉が続く見込み。