厚生基金の運用担当者9割が未経験~厚労省

投資顧問会社「AIJ投資顧問」の年金消失問題を受けて厚生年金基金を調査した厚労省は28日、運用に携わる役職員の約9割に資産運用の経験がなかったことを明らかにした。
厚労省によると、全国581の厚生年金基金に運用体制や天下りの実態を調査したところ、運用に携わる役職員2065人のうち88.4%にあたる1826人に資産運用の経験がないことがわかった。証券アナリストなどの資格を持っているのは37人で、約2%にとどまった。また、国家公務員の「天下り」(再就職者)の数は721人で、そのうち689人は旧社会保険庁からの天下りだった。
辻厚労副大臣は会見で、基金の積み立て不足を保険料や国費で穴埋めすることについては、公平性からみて不適切だとして改めて否定した。