フリーズドライの精子からラットの子供誕生

インスタント食品などに使われる「フリーズドライ製法」で5年間保存したラットの精子から子供を誕生させることに、京都大学が世界で初めて成功した。
京都大学・金子武人特定講師は、急速に冷凍した後、真空状態で乾燥させる「フリーズドライ製法」でラットの精子を5年間保存することに成功した。精子は水を加えるだけで元の姿に戻り、受精させたラットからは正常な子供が生まれたという。
家畜の人工授精などに使われる精子の保存は、これまでマイナス80℃の液体窒素などで行われてきたが、フリーズドライであれば大がかりな装置を必要とせず、大災害で停電が起きたとしても常温での保存が可能になる。
研究グループによると、長期保存の実用化に向けた今回の取り組みは世界でも初めてで、今後、他の動物や細胞にも応用できるか、研究を重ねるという。