国民年金加入者の4分の1が「収入なし」
自営業の人などが加入している国民年金で、保険料を納める現役世代のうち、収入がない人が4分の1を占めることが厚労省による初めての調査でわかった。将来、年金額が少なくて貧困に陥る高齢者が増えるおそれがある。
厚労省は、公的年金の加入者を抽出で選び、09年の収入を調査した。その結果、自営業者や無職の人などが加入する国民年金では、加入者の半数以上が年収100万円以下で、特に、収入がない人は加入者の約25%と4分の1を占めた。かつて、自営業や農業を営む人が多くを占めた国民年金に、非正規で働く人や無職の人が増えたことが背景にある。
収入が低い場合、年金保険料を免除する制度があるが、将来受け取る年金額は減る。現在でも、年金額が少ない高齢者約90万人が生活保護を受けている他、今、国会で審議されている「社会保障と税の一体改革」法案では、年金額が少ない高齢者への加算が盛り込まれるなど、所得が低い高齢者をどういった制度で支えるのか、大きな課題となっている。