胆管がん、印刷業以外の製造業にも注意喚起

胆管がんを発症した印刷工場の従業員が全国で見つかった問題で、厚労省は23日付で、同じような化学物質を使っている金属加工や半導体の製造業にも注意を呼びかけた。
今回、胆管がんとの関連が指摘されているジクロロプロパンなど有機塩素系の洗浄剤は、印刷業だけでなく、メッキや金属加工、半導体製造の工場でも使われていることから、厚労省は、こうした洗浄剤を使う際は十分な換気や手袋の着用など、適切な対応をするよう呼びかけた。
また、厚労省の研究費を使って、胆管がんの発症と化学物質の関連があるかを調べる研究グループが8月に発足することになった。グループは約3年かけて、作業の内容や期間などと胆管がんとの関連を調べる他、動物実験でジクロロプロパンの生物への影響などを調べる予定。
また、印刷工場の従業員で胆管がんを発症した患者の数は全国で24人に上り、このうち14人が死亡したことが厚労省のまとめでわかった。薬品を使った洗浄作業ではなく、コンピューターの画像処理を担当していた人の発症例もあったという。
厚労省は、胆管がんの発症と業務の因果関係は不明としながらも、心配があれば胆管がんの電話相談窓口に相談してほしいとしている。