アスベスト被害、クボタに賠償命令 兵庫

兵庫・尼崎市にあった「クボタ」の工場の周辺住民らが中皮腫で死亡したのはクボタと国の責任だとして、遺族らが損害賠償を求めていた裁判で、神戸地裁は7日、クボタの責任を認め、賠償を命じた。
訴えていたのは、尼崎市にあったクボタの旧神崎工場近くで生活していた2人の遺族らで、2人が中皮腫で死亡したのは工場から出たアスベストが原因だとして、クボタと国を相手取って計約8000万円の損害賠償を求めていた。
判決で神戸地裁は、クボタの工場から200メートル離れた場所に勤務していた男性については、因果関係があるとして、クボタに対して3195万円の支払いを命じた。一方で、工場から1キロ余り北東に住んでいた女性については、訴えを退けた。また、国に対する責任はいずれも認めなかった。
周辺住民のアスベスト被害をめぐり、企業の責任が認められたのは全国で初めて。