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一票の格差5倍は「違憲状態」~最高裁

2012年10月17日 15:35
一票の格差5倍は「違憲状態」~最高裁

 一票の価値に最大5倍の格差があった10年の参議院議員選挙は違憲だとして、弁護士らが選挙を無効とするよう求めていた裁判で、最高裁は17日、5倍の格差は「違憲状態」とする判断を示した。

 10年7月に行われた参院選では、議員一人あたりの有権者数が最も少ない鳥取県選挙区と、最も多い神奈川県選挙区で、一票の価値に5倍の格差が生じた。これについて弁護士らは、選挙権の平等を保障した憲法に違反しているとして、全国15か所の高裁に選挙の無効を求める訴えを起こしていた。

 高裁では、違憲かどうかについて判断が分かれていたが、最高裁は17日、これらの訴えについて、一括して判決を言い渡した。最高裁は判決で、「違憲の問題を生じる程度の著しい不平等状態」とする判断を示した。その一方で、選挙無効については訴えを退けた。

 参院選での一票の格差をめぐる最高裁の判決では、これまで、92年の選挙の最大6.59倍が「違憲状態」とされた例があるが、その後の5倍前後の格差に対しては、「合憲」とする判断が続いていた。

 最高裁は、衆議院議員選挙についても去年、2.3倍の格差を「違憲状態」とする判断を示しており、今回の判決によって、衆議院、参議院ともに「違憲状態」という初めての事態に陥ることになった。