原子力規制委、もんじゅ事業者トップを批判
福井県にある高速増殖炉「もんじゅ」で1万点近い機器の点検漏れが見つかった問題で、事業者のトップが「実体的な安全性は確保されている」と釈明したことに対し、原子力規制委員会から厳しい批判が相次いだ。
もんじゅでは、所定の手続きが行われないまま定期検査が延期された機器が1万点近くに上ることがわかり、13日、原子力規制委員会が、事業者である日本原子力研究開発機構の鈴木理事長を呼んで、原因究明と再発防止を命じる指示文書を手渡した。
しかし、指示を受けた鈴木理事長は終了後、「私どもとしては実体的な安全は確保されていると今でも思っている」と述べ、点検漏れはあくまで手続き上の問題だと強調していた。
19日に開かれた規制委員会では、鈴木理事長の発言について、「指摘を重く受け止めていない」との批判や、「現場のモラル低下につながる」などの指摘が相次いだ。規制委員会は今後、原子力機構を監督する文科省にも説明を求める方針。