オープンから1年 みやぎ復興パークで式典

宮城・多賀城市内の工場の空きスペースを、東日本大震災で被害を受けた企業などに無償で貸し出す「みやぎ復興パーク」がオープンから1年を迎え、20日に開所式が行われた。
去年12月にオープンした復興パークは、大手電機メーカー・ソニーが、多賀城市にある工場の空きスペースを20年まで無償で貸し出している。オープンから1年がたち、利用が増えたことから、20日は宮城・村井県知事や企業の関係者などが出席し、開所式が行われた。
復興パークは、震災で被災した地元企業の支援と東北の「ものづくり」を加速させるのが大きな狙い。現在、精密機械や印刷、食品製造会社などの21の団体が利用している。
東北大学も施設を利用し、最先端技術の研究・開発を進めている。レーザーを利用して周りの状況を瞬時に把握し、人の動きなどの情報を車に伝えることで、障害物を避ける自動運転の実験もその一つ。
大学にとって復興パークは、一定の広さを持つ実験場として貴重な場所である他、もう一つのメリットがあるという。東北大学・大野和則准教授は「我々の最先端の技術を企業と共同研究する場所。当初は考えてもいなかったコラボが生まれつつあるので、大学側としても面白い」と語る。
復興パークにはまだ空きスペースがあるため、施設を運営する「みやぎ産業振興機構」は、今後も被災企業などに利用を呼びかける方針。