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2013年3月9日 20:23

新出生前診断 日本産科婦人科学会が指針

新出生前診断 日本産科婦人科学会が指針
(c)NNN

 妊婦の血液検査だけで、ダウン症など3つの染色体の異常が高い確率でわかる新しい出生前診断について、9日、医師の学会が実施の指針を発表した。検査は、「臨床研究」という限定した形で4月にも始まる見込み。

 日本産科婦人科学会・小西郁夫理事長「本検査には、倫理的に考慮されるべき点のあることから、まず臨床研究として、認定・登録された施設において慎重に開始されるべきである」

 日本産科婦人科学会・落合和徳医師「(意見公募で)検査について『絶対に反対する』『導入すべきでない』という方から、『制限なくやるべきだ』『誰でも受けてもいい』という、非常に幅の広いコメントが寄せられました」

 新しい出生前診断をめぐっては、妊婦の血液検査だけという簡単な方法だけに、体制が整備されない中で検査が広く行われる可能性があるが、障害者に関する情報不足のために安易な中絶が増えると指摘する声もある。

 そこで、9日、日本産科婦人科学会が発表した指針では、新しい出生前診断は、当面は「臨床研究」として対象や実施する医療機関を限定した形で行うこととした。対象となる妊婦は、超音波検査などで胎児の染色体異常の可能性がある場合や、ダウン症の子供を妊娠した経験がある、または高齢妊娠の場合とした。「高齢」が何歳かは明記せず、医療機関の判断で対象を決めるという。

 検査を行う病院は、独立機関による「認定制」とし、染色体異常や障害者の支援体制にも詳しい産婦人科医と小児科医師が常勤であることや、そのどちらかが臨床遺伝専門医の資格を持つこと、遺伝などの説明・相談を妊婦が検査を受ける前後に十分に行うことなどが条件となる。約20か所の病院が申請予定で、4月以降、認定された病院で「臨床研究」として検査が始まる予定。

 民間の会社がビジネスとして同様の検査の仲介を始める動きを受けて、9日に出された日本医学会や日本産科婦人科学会の共同声明では「学会の会員以外の医療機関、仲介会社などにも、指針を尊重するよう呼びかける」と明記したが、拘束力はないのが実情。

 一方、ダウン症の患者や家族で作る日本ダウン症協会の玉井邦夫理事長は「検査の仕組みと同時に、妊婦の相談に乗る遺伝カウンセラーなど、人の育成が重要だ。どういう情報が妊婦に提供されてどういう結果が導き出されたのか、できる限りオープンに議論してほしい」と話している。