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認知症の臨床研究で不適切処理~筑波大教授

2014年1月11日 0:57
認知症の臨床研究で不適切処理~筑波大教授

 国が24億円の予算を出して2008年から行われている認知症の臨床研究で、データの一部を後から書き換えるなどの不適切な処理があったと筑波大学の教授が発表した。

 不適切な処理が行われていたのは、初期の認知症患者ら約550人の脳の画像などのデータを集め、治療方法の開発を目指す「J-ADNI」と呼ばれる臨床研究。

 この研究には全国38の医療機関が参加しているが、中心メンバーの一人である筑波大学の朝田隆教授によると、集めたデータのうち、記憶力を調べるテストの経過時間を実際よりも短く書き直したような不適切な処理が少なくとも3件あったという。また、抗うつ剤を服用しているなど臨床研究に適さない人が2割程度含まれていることもわかり、朝田教授は「研究組織として未熟だった」と説明した。

 J-ADNIには国の予算約24億円が充てられていることから、厚生労働省は研究責任者である東京大学の岩坪威教授らから事情を聞くなどして事実関係を調査している。