「自分の体じゃないみたい」子宮けいがん手前で手術…不安抱え過ごした5年間
■切除自体は“15分”でも2泊3日の入院生活
有為さん
「手術の選択肢として、子宮けい部を円すい状に切る手術と、レーザーで病変部分を焼く手術を提示されました。私は円すい状に切る手術を選ぶことにしました。レーザーだと、浸潤していた場合は取り除けないと聞いたので。日帰りできるところもあるらしいんですが、私の通いやすい病院を選んだところ、2泊3日で入院することになりました」
「麻酔は全身麻酔か、下半身だけにかける『脊髄くも膜下麻酔』が選択できるという話でした。私は、自分の体の負担を考えて、脊髄くも膜下麻酔にしました。上半身とか頭には意識があって、少し私の中では安心感がありました」
庭野解説委員
「手術にはどれくらい時間がかかるんですか?」
有為さん
「切除自体は15分くらいで終わると聞いてたんですけど、準備したり、麻酔をかけたり、手術後の処置なんかで病室を出てからまた病室に戻るまで2時間ぐらい経っていました」
「麻酔が切れてくるとだんだん腹痛を感じるようになってくるんですね。生理痛と似たような痛みで。その他にも下腹部に違和感があるんですよ。何なんだろうと思ってきいてみたら、『ガーゼを止血用に大量に詰めているから圧迫されて違和感があるんだと思う』と聞いて、自分の体じゃないみたいな気持ちになりましたね」
「私の選んだ麻酔が、限りなく確率は低いけれどちょっと頭痛が出るかもしれないという説明を受けていました。実際私はすごく頭痛に悩まされて、何かしらの振動とか動きが入るともう起きていられないくらいの痛みがあり、これが2~3日ぐらい続いたので、仕事に影響することもありました」
庭野解説委員
「『15分で終わりますよ』と言われても、そんな簡単なことではないですね」
■今年度で終わるキャッチアップ接種──はじめるなら“9月末まで”に
庭野解説委員
「手術は成功したということですけれども、それで高度異形成が見つかる前の状態に戻ったんですか?」
有為さん
「今も検診を半年に1回くらい受けています。これは術後2年ぐらい続くそうで、その後は経過次第では1年ごとになったり、通常の検診と同じように2年に一度に戻ったりすると聞いています」
庭野解説委員
「がんの一歩手前という状態が見つかって、手術をなさった経験から何か感じたことはありますか?」
有為さん
「よく聞くと思うんですけど、『まさか私が』という言葉が本当にぱっと出てきて、もう二度と手術はしたくないと思いました。ただ、憂鬱な気持ちになりながらも、定期的に検診を受けていたことで、おおごとになる前に食い止められたということは、本当に良かったなと実感してます。なので、今後も自分を過信せず、『自分は大丈夫だ』とか思わずに、手遅れになる前にどんな検診でも受けていきたいなというふうにはすごく考えています」
庭野解説委員
「HPVの感染を予防するためのワクチンがあるんですが、日本では接種をためらうなんていう人も多いです。ワクチンについてはどう考えますか?」