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名優・高倉健さん死去 83歳

2014年11月18日 14:28

 深みのある演技で長年親しまれてきた俳優の高倉健さんが、悪性リンパ腫のため亡くなっていたことがわかった。83歳だった。

 高倉さんの俳優歴は約60年。長年多くの人たちに親しまれてきた。所属事務所によると、高倉さんは次回作の準備中、体調不良により入院、治療を続けていたが容体が急変。10日、都内の病院で悪性リンパ腫のため亡くなった。

 高倉さんは、東映ニューフェイス第2期生として東映へ入社。その後は「幸福の黄色いハンカチ」や「八甲田山」「南極物語」「鉄道員(ぽっぽや)」など数々の映画で主演を務めてきた。去年には長年の功績が認められ、文化勲章を受章した。

 文化勲章受章の会見で、高倉さんは「日本人に生まれて本当によかったときょう思いました」「(映画で)ほとんどは前科者をやりました」「そういう役が多かったのにこんな勲章を頂いて、一生懸命やっているとちゃんと見ていてもらえるんだな」と語っていた。

 俳優養成所で「ほかの人の邪魔になるから見学していてください」と言われるほど落ちこぼれだったという高倉さん。心の支えになったのが、亡き母親からの「辛抱ばい」という言葉だった。

 文化勲章受章の会見で、高倉さんは「学生のときから『辛抱ばい』というのは言っていましたね」「印象に残っているのは、家族に恥ずかしいことをしなさんなと。気が短くてよくケンカするので、その恐れがあったんでしょうね、母親としては。とってもよく覚えています」「(Q:母親にはどう報告されましたか?)あまり言いたくありません。すみません」「これからも作品選びとか、そういうことを章に恥じないものをやらなければいけないなと思っています」と語っていた。

 葬儀は、近親者による密葬ですでに営まれたという。