“独身税”SNSで拡散 なぜ?【それって本当?】
東京都議選と夏の参院選が迫ってきました。日本テレビのニュース番組では、「投票前に考える それって本当?」と題して、選挙の際にあふれる様々な情報とどう向き合っていくべきか考えていきます。
最近、“独身税”という言葉、聞いたことありますか。
少子化対策に使われる、「子ども子育て支援金制度」のことなんですが、SNS上では「子どもを持たない独身層などは恩恵がない」などとして、“独身税”という言葉を使って反発する声があがっているんです。
先週末から、この言葉がSNSで拡散されています。なぜこのような現象が起きたのでしょうか。社会部のSNS・選挙担当の島津記者に聞きます。
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――“独身税”という言葉、SNS上でどれくらい広まっているんですか?
X上で“独身税”というキーワードが入った投稿の数の推移を見ると、6日には438件だったんですが、7日には2万7419件、8日には11万5650件投稿されていて、短期間で急増していることがわかります。
――どのような投稿が広がっているんですか?
8日の投稿の内訳を分析すると、ポジティブなものがおよそ7%に対し、ネガティブなものがおよそ57%だったことがわかりました。
具体的には、「独身がなにか悪いことしたのか」「独身税って本当にとる気?」などといった声が拡散されていました。
――この“独身税”という言葉をストレートに受け取ると、こういった反応が出てくるのも不思議ではないんですけども、制度としては乖離(かいり)した部分もありますよね。
10日、三原こども政策担当相は、“独身税”と呼ばれていることについてこう発言しました。
三原こども政策担当相
「独身税という言葉は、あたかも独身の方だけに負担のみを強いることを想起させる点で、これは正しくない言葉遣いであると考えております」
そもそも、“独身税”と言われているのは、少子化対策に使われる「子ども子育て支援金制度」のことで、独身の人だけでなく、子育て世帯や高齢者も含めて、未成年を除く全世代の人と企業が負担するものです。
具体的には、「公的医療保険料」に上乗せされる形で、2026年度から段階的に増え、児童手当や妊娠・出産時の経済支援などに使われます。
これについて、「独身層などは恩恵がない」などと反発の動きが起きていたんです。
これに対し、三原大臣も、「いずれ子どもは社会保障の担い手」となっていくことから、「すべての世代」がメリットを受けると述べました。しかし、そのことが、「国民に十分届いていない。そこは率直に反省をしたい」と述べました。
――負担が増えるのは事実だと思うので、しっかり説明してほしいと思いましたし、SNSの拡散力を改めて感じました。
専門家は、「SNSは様々な情報に接することができる反面、曖昧な情報が増えているため、すぐに情報に飛びつかない、「拡散」したり「いいね」せずやり過ごすことが大事」と話しています。
ひとりひとりが情報を見極めることが大事な一方、政府も情報発信の工夫が必要です。