不登校と向き合う親子 環境を変えて「少しずつ…」見守り続け生まれた気持ちの変化『every.特集』
■見守り続けて生まれた気持ちの変化
別の日。満太朗くんは今、主に給食の時間だけでも、と学校に行くようにしています。去年から、児童や生徒の状態に合わせて教育を受けられるクラスに通い始めました。
不登校でもだいじょう部・廣瀬ひろみさん
「(児童が)4人しかいないので、居心地がいいんだろうな。だから行けてるんだろうなって」
人と関わるのが苦手と言っていた満太朗くんには、人数が少ないクラスで過ごす方が合っていました。登校して一時間。
満太朗くん
「ただいまです」
「ボールとろうとしたら、勢いで壁にどーんって」
環境を変えたことで、少しずつ学校に行ける時間が長くなっているといいます。
満太朗くん
「自分含めて4人いるけど、その中の1人の男の子と結構仲いい」
また、ひろみさんは、学校以外の時間も外出を増やそうとしています。この日来たのはファミレス。ひろみさんは仕事を、満太朗くんは学校の宿題をしたり、ゲームをしたりなど、二人で好きなことをする時間をとっているといいます。
──家でやるのとファミレスは違う?
廣瀬ひろみさん
「違いますか?」
満太朗くん
「全然違う」
「環境音で集中できるっていうのと」
廣瀬ひろみさん
「好きな飲み物飲めるしね。ママも洗濯物が…洗い物が…ってしなくていい」
近場でもこうした外出を増やし、2人で何気なく話す時間を大切にしているといいます。
不登校への対応については専門家の明治大学・諸富祥彦教授も、子どもが話をするきっかけにつながるよう、習慣的に外出をすることは大事だと話します。
満太朗くんの気持ちを見守ってきた日々。こうした生活を続け、満太朗くんには気持ちの変化が。
満太朗くん
「『学校が嫌い』が『少し楽しい』と思えるくらいに」
「少しずつ授業を受けられるようになりたい。ちゃんと、みんなと同じ時間に行きたい」
「そうすれば、お母さんの負担も減るし、自分が成長したなと思えるからそれが目標に」
「目標をたてると頑張れるから、できなくてもいいからやってみよう」
桐谷キャスター
「その前向きな気持ちがすごいなって思うし、見習わなきゃっていう気持ちになるよ」
満太朗くん
「よかったです」
廣瀬ひろみさん
「親が思ってるより、子どもって考えてるんだって。不登校を経験したことですごく感じたので、『子どもだから』とかそういうふうに考えないで、ぐっと我慢して待ちの姿勢をとるように」
桐谷キャスター
「子どもを信じて待つ力も、大切になるんですね」
「親しかできないので、そこらへんは」と話す廣瀬ひろみさん。不登校に向き合いながら、親子の歩みは続きます。
(2月20日放送『news every.』より)