気になる悩みに朗報? 薄毛の仕組み解明
5日、歳をとると薄毛になる仕組みを、東京医科歯科大学・難治疾患研究所の西村栄美教授の研究チームが解明したと発表した。新しい治療薬の開発につながるのだろうか。
■研究チームが着目したのは、毛穴の奥にあり人の毛髪をつくりだす「毛包幹細胞」という細胞。この幹細胞が毛を生み出す細胞を作り続けるため、毛は抜けても再び生えるというサイクルを繰り返す。しかし今回の研究で、歳をとると「毛包幹細胞」が減り、フケや垢(あか)となって皮膚の表面からはがれ落ちるということがわかった。
■これまでは男性の特徴と考えられてきた薄毛だが、性別に関係なく女性も歳をとると毛包幹細胞が減り、薄毛になることもわかった。
■研究では、17型コラーゲンという物質が薄毛を防ぐのに重要な役割を果たしていることがわかった。コラーゲンが豊富な食べ物を食べたり、直接塗ったりしても、17型コラーゲンは増えないという。
■研究を率いた西村教授は、コラーゲンの減少を抑えられる物質が見つかれば治療薬になると話す。今回の研究成果は、ガンの放射線治療の副作用で抜け毛に悩む患者の治療にも役に立つとみられている。