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2016年2月24日 4:11

昼間に羽田→米国へ 成田は「差別化」模索

昼間に羽田→米国へ 成田は「差別化」模索
(c)NNN

 キーワードでニュースを読み解く「every.キーワード」。23日は「昼間に羽田→アメリカへ」をテーマに、日本テレビ・小栗泉解説委員が解説する。

 ■羽田発着の米国便増加へ、日米合意

 先週、日本とアメリカ、両政府が羽田空港発着のアメリカ便を増やすことで合意した。10月末には、昼間でも羽田空港からアメリカに飛べるようになる。

 現在、羽田空港からアメリカへ飛んでいる便の出発時刻を見てみると、ハワイ・ホノルル行きは夜10時や11時台。ロサンゼルス行き、サンフランシスコ行きは夜中0時や1時台など、夜に出発する便しかない。アメリカから羽田に到着する便の時刻を見てみても、午後10時以降や、午前5時台といった深夜・早朝に到着する便ばかりだ。

 昼間の路線がなかった大きな理由のひとつに、アメリカの一部の航空会社の反対があった。成田を拠点としているアメリカのデルタ航空は、羽田の昼間の路線が認められれば、成田から羽田に利用客を奪われてしまうとして、反対していたという。しかし今回、アメリカ政府は、このデルタ航空の反対を押し切って合意した。

 ■昼間の路線で時間を有効活用

 昼間の路線ができると何が変わるのか。例えば、全日空の便を見てみると、現在は羽田を深夜0時5分に出発、ロサンゼルスの到着は現地時間の前日午後5時となる。一日が終わる時間だ。それが今後は、仮に羽田を日中の午後3時に出るとすると、ロサンゼルスには午前8時頃に到着することになる。こうなれば朝から時間が有効に使えるようになることから、利用客も多くなり、日米間の経済的な交流もさらに活発になることが考えられる。

 さらに、現在は飛んでいない、ニューヨークなど東海岸へも羽田から直行便が飛ぶことになりそうだ。これも昼間の出発・到着が可能になって、多くの需要が見込めるためだという。

 ■JALとANA…どう分配

 また、今回の合意では、羽田-アメリカ間の便数も8便から12便に増えることになる。私たちにとっては便利になるが、航空会社にとっては、これから、この増便された分が国土交通省によって、どの会社にどう配分されるかが焦点となる。

 発着時間帯別に見てみると、昼間に10便、深夜・早朝に2便となるが、まず、日米で半分ずつに分けられ、日本の航空会社の持ち分は、昼間の5便と深夜・早朝の1便。これを分けるのは、日本航空と全日空だけなのだが、すでに、それぞれ昼間に2便ずつ、ということまでは決まっている。ただ残りの昼間の1便と深夜早朝の1便はまだ決まっていない。やはり平等に1つずつ分けるといっても、時間帯も違うから難しい。

 以前、国土交通省は、羽田空港での発着枠に関して、日本航空が経営破綻し、公的支援を受けていることから、全日空に有利となる配分を行っている。航空業界に詳しい航空評論家・青木謙知さんによると、羽田-アメリカ便は大きな黒字を見込める“ドル箱路線”のため、日本航空・全日空ともに2便とも確保したい思いがあるという。日本航空は、再生後の経営をたしかなものとするため、また、全日空は、日本航空と決定的な差を広げたいという狙いがあると話している。

 国交省は、5月のゴールデン・ウイーク前までに、新たな発着枠をどう配分するか決める方針だ。

 ■成田空港「羽田との差別化を」

 一方、羽田での昼間のアメリカ便の影響について成田空港側は、「滑走路の新設などで便数を増やし、利便性を高め、より多くのLCC(=格安航空会社)を呼び込むなどして、羽田との差別化を図り、利用客を増やしていきたい」としている。

 ■ポイントは「特色を生かす」

 23日のポイントは「特色を生かす」。羽田は都心に近く、国内線への乗り継ぎも多く、海外から多くの利用客を見込めるという特色がある。4年後に東京オリンピック・パラリンピックが迫る中、こうした空港の特色を生かして海外との交流を活発にしていきたいものだ。