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南海トラフ巨大地震の可能性「特段の変化なし」地震がおきる力は加わり続ける

2025年5月9日 19:54
南海トラフ巨大地震の可能性「特段の変化なし」地震がおきる力は加わり続ける

南海トラフ巨大地震発生の可能性を評価する検討会は、平常時と比べて「特段の変化は観測されていない」とする見解をまとめました。一方で、地震がおきる力は加わり続けているとして、いつ地震がおきても良いよう備えを呼びかけています。

今後30年以内の発生確率が80%程度とされる「南海トラフ巨大地震」について、気象庁は9日、専門家による検討会を開き、想定される震源域でおきた地震などを分析しました。

先月1日から今月7日までの期間、南海トラフ周辺で目立った地震活動はありませんでした。この期間に、東海・四国西部・紀伊半島中部では地下深い場所で微小な揺れがおきる「深部低周波地震」が発生していますが、これは過去にも繰り返しみられる現象だとしています。

また、静岡県の御前崎などでは長期的に地盤の沈みが観測されていますが、その傾向に大きな変化はないとしています。こうしたことから、南海トラフで「大規模地震の発生の可能性が相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」との見解を示しました。

一方で、評価検討会の会長で東京大学の平田直名誉教授は、「岬の沈降は続き、地震がおきる力は加わり続けている。地震の可能性がなくなったわけではない」と話し、地震への備えを呼びかけています。

最終更新日:2025年5月9日 19:54