豊洲問題で喚問“石原証言”に小池都知事は

石原元知事の証人喚問が終了したことを受けて、20日午後3時半すぎ、東京都の小池知事が取材に応じ、石原氏の発言は、「前回の会見と変わらなかった」などと述べた。
〈小池都知事〉 断片的にしか拝見しておりませんが、ご高齢の中、都議会の要請に応えられたことには敬意を表したい。責任の所在であるとか、これまでの会議の出席や瑕疵(かし)担保責任については、前回の記者会見の時と、あまり出ていなかったのではないかと。
Q.移転決断すべきとの意見あったが
〈小池都知事〉 きのう、9回目のモニタリングの数値が出ました。9回目の採水等の疑念も、クロスチェックによって信頼確保できたかと。
この調査も含めて、安心を確保するために、万全を期しての措置ということで、石原都政から決まっていたことであります。それを途中で打ち切るということが、安心の確保につながらないのではないか、という考え方から、移転を延期した。私自身は決められた基準、法的基準にプラスした基準と言えるが、それの確保のために作業を進めてきた。私が新たにハードルを上げたとかではない。
その結果がきのう出て、そして、専門家会議がきのう行われたということです。市場関係者の方々からもいろんな意見が出たというふうにうかがっております。これからは専門家会議の結果を踏まえて前回だされた結論と、これから新たに出てきた今回の数値のさらなる分析とか、そういったこと。今後の対策を含めてですが、市場プロジェクトチームとアドバイスも含めて考えていきたいと思います。
Q.百条委を受け移転のスケジュール観に影響は
〈小池都知事〉 市場の信頼と、もっと言えば都政の信頼と消費者の信頼と、こういったことを勝ち取るためには、これまでの検証も含めて、総合的な判断、これが求められるのだと思います。
今はまだ専門家会議の今後の結論等々も聞いておりません。どのようにして地下の部分の対処方法、どういった方策があるのか、今は考えておられるのだと思います。それらのことを踏まえて見ていきたいと思います。現時点で前にお示ししたロードマップ、それがどれぐらい今回の影響が出るのか、精査したい。
Q.(石原元知事は)科学根拠に都民最優先に移転を決断してほしいと言うが?
〈小池都知事〉 石原元知事がハードルを上げたと明言されておられました。それは豊洲に生鮮食料品を扱う市場を移すことへの配慮だったと思う。
これまで高く上げられたハードルをきっちりとクリアできるかどうか、モニタリング継続という形で進めてきたわけであります。石原さんが上げた基準をどうクリアするか、ということで色々検証を行ってきた。それを行う中で、地下空洞があったとか、盛り土がされていなかったとか、別の話も出てきたわけですけど。
百条委員会での発言などがあり、これからも続くと議会が言っているので、関係者の言葉をクロスチェックして、誰がいつどうやって決めたのか、これが明るみに出るのは、都政への信頼、もしくはなぜそうなったのかを理解するのにつながると思う。
なぜあれほど高い土壌対策費かけられたか。なぜ高い建築費がかかったのか。安心の基準を数値で表すのは難しいというのは、そういうことを含めて都民の皆さんも総合的に判断なさるからこそ、材料を提供しないとならないと思っている。