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東大教授、実験データ“改ざん”研究不正か

2017年6月21日 2:46

 東京大学の教授が、著名な国際科学誌に発表した複数の論文で、実験データや画像を改ざんしていたとして、大学側が研究不正として認定する方針であることがわかった。今後、教授が所属する研究所の解体も視野に、再発防止策などを検討しているという。

 不正が認定されるのは、東大・分子細胞生物学研究所に所属する50歳代の男性教授。教授は、2003年から2016年にかけてアメリカの科学誌「サイエンス」などに掲載された染色体などに関する複数の論文で、実際には行っていない実験のデータをねつ造したグラフを掲載したり、顕微鏡画像の色や明るさを加工して、実験結果に差があるかのように改ざんしたという。

 去年、学外からの告発を受けて東大が調査委員会を設置し、本人や関係者への聞き取りなどを進めていた。

 教授は、日本テレビの取材に対し、「論文の一部に不備があったが、結論は間違っていない」と述べ、論文のデータを訂正する方針だという。

 教授が所属する研究所では、2014年にも元教授らの論文で不正が認定され、今年3月には、4人を懲戒解雇相当、1人を諭旨解雇相当とする処分を発表している。

 東大は、来月にも最終的な調査結果を公表し、研究所の解体も含めた組織改編の方針などを明らかにする見通し。