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道の駅で毒キノコ販売、7人“食中毒”

2014年9月22日 19:19
道の駅で毒キノコ販売、7人“食中毒”

 滋賀県高島市にある「道の駅」で毒性のあるキノコ「ツキヨタケ」が販売され、食べた人が食中毒の症状を訴えていたことがわかった。

 有毒のツキヨタケが販売されていたのは、高島市にある「道の駅くつき新本陣」。滋賀県によると20日、地元の人が食用の「ヒラタケ」と間違えて、ツキヨタケをパック詰めにして販売した。21日になって、このツキヨタケを食べた愛知県の夫婦など7人が腹痛や吐き気などの食中毒の症状を訴えたため、県が調べたところ、有毒のツキヨタケが混入していたことがわかった。

 道の駅は、農家が直接店頭に持ち込んで販売するシステムで、地元の新鮮な野菜や果物が手に入るとあって人気だが、今回はその販売方法がアダとなった形。

 滋賀大学・横山和正名誉教授によると、ツキヨタケは日本で最も食中毒の件数が多いキノコだという。平成15年からこれまでのデータを見えると、毒キノコによる食中毒の患者数の実に45%がこのツキヨタケによるもの。

 横山名誉教授「色がシイタケに似ている。形はヒラタケに似ている」「腹が痛くなるケースが多い。たくさん食べると重症化する。蛍が飛んでいるというような幻覚などの症状も」「死亡することはほとんどないが、かなり重症になることがある」

 行楽シーズンで山に入る人が多くなるこの季節。キノコに詳しくない人にも見分けることはできるのだろうか。

 横山名誉教授「素人にはキノコは全部同じように見える。経験を積んで、よく知っている人に聞くといい」「(Q:一般的に信じられている、『縦にさけるものは無毒』というようなものは)昔からの迷信は全部違う。大部分の人が見た目で食べたり、迷信を信じて食べるから、食中毒が減らない」

 「道の駅」はキノコの自主回収を進めており、今回ツキヨタケを食べてしまった7人は現在、快方に向かっているという。

 キノコ類が最盛期を迎える“味覚の秋”を前に、滋賀県生活衛生課は「知らないキノコは絶対に食べない」など、注意を呼びかけている。